地方自治体の予算編成過程について(1)

ここから数回にかけて地方自治体の予算編成過程に関する連載をしていきたいと思います。地方自治体は新年度に向けて、前年度10月から3月の約5ヵ月間をかけて予算編成作業をします。今年もあと数ヶ月もすればその作業が開始される時期に差し掛かってきました。この連載では、予算編成過程についての確認を行い、全国各地で活発化する新たな予算編成の手法を紹介していきます。
連載の第1回目である本稿では、多くの自治体で採用されているオーソドックスな予算編成過程について紹介していきます。人口約2万5千人のある地方自治体の予算編成過程を例にとりながら、そのフローについて確認していきましょう。

① 予算編成方針の通知(10月下旬)
② 予算要求書の作成・提出(10月下旬〜12月上旬)
③ 財政担当課によるヒアリング(12月中旬〜12月下旬)
④ 財政課長査定(1月中旬〜1月下旬)
⑤ 首長査定(2月上旬〜2月中旬)
⑥ 予算案公表(2月下旬)
⑦ 議会上程・議案審議・議決(3月)

これを見てみると、予算編成は大きく3つの段階に分けることができます。<①予算編成方針段階→②予算要求書の作成・提出段階→③予算査定段階>です。それぞれの段階における要点を確認しておきます。

Ⅰ 予算編成方針段階
予算編成方針は、首長から全職員に対して、予算編成の基礎基準である社会経済動向、国・都道府県の動向、該当地方自治体の財政状況を説明し、概ね以下の点を予算要求課に通知するものです。
・予算編成の基本的な考え方(総合計画などの各種計画の推進、重要政策の推進など)
・予算要求基準
・予算編成の日程
Ⅱ 予算要求書の作成・提出
予算要求書の作成は、各課がⅠで示される予算要求基準に従いながら作成します。現在は全国的に厳しい財政運営を強いられいるので、経常経費削減に務める自治体が多く見られます。既存事業や懸案事業の再検討・再精査を行い、予算を使わないゼロ予算事業の立案を模索する事例も数多くあると予測されます。
Ⅲ 予算査定段階
予算査定段階には、財政担当課と首長査定の2段階があります。今回取り上げた地方自治体はその査定については非公開としていて、議事録の作成も行っていないことから、その基準などについては調査できていません。多くの自治体がこの査定については公開していないことから、全国的に査定公開は消極的であると言えると思います。

今回、調査を行った地方自治体においては予算過程を非公開とされています。その理由としては、1つ目が、予算を議会に提案する前に公開することにつながるので、議会の議決権を阻害する恐れがあること。2つ目には、各分野の予算は各種団体や事業者、個人などの利害当事者にも少なからず関わりがあることなので、声の大小や個人の特定意見に左右される恐れや、予算の争奪につながってしまう恐れがあることを挙げられていました。
みなさんはこの予算編成過程をどのように思われますか。次回の投稿では、この編成過程の問題点を指摘し、全国の事例からその改善策を探ってみたいと思います。

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