twitterの可能性-自治体twitter 【地域活性化とICT⑤】

高まるtwitterへの期待

今、twitterを地域活性化につなげようという動きが、各地で盛んになってきています。そこで今回から数回にわたって、twitterの可能性について考えていきたいと思います。

twitterとは何か、今さら説明するまでもないかもしれませんが、やっていない方もいるでしょうから簡単に説明すると、twitterはミニブログともいわれ(ブログは説明しなくて良いですよね…)、140文字以内で投稿するものです。この投稿は「つぶやき」あるいは「ツィート」と呼ばれます。自分のサイトには、自分の投稿と、「フォロー」した他人の投稿が、時系列的に表示されていきます。

「フォロー」を介して仲間や、同じ趣味・関心をもつ人と、気軽に繋がることができることや、工夫次第で有益な情報収集のツールになるところなどが受け入れられ、世界的に広がってきています。twitterは2006年7月にアメリカで始まり、登録ユーザー数は世界で1億4500万人(2010年9月時点)、日本でも月に約1000万人が利用するまでになっています1

すでに多くの企業がtwitterを利用していますが、地域活性化でも活かそうという試みが各地で起こっています。

twitterの活用方法については、すでに多くの事例がありますし、本やネットなどを通じて知ることができますので、詳細についてはそちらに譲ることにして、潜在住民という観点から重要な事例を紹介していきたいと思います。今回は自治体主導の利用について紹介し、次回は特に商店街での活用を見ます。

自治体とtwitter

さて、現在どれくらいの自治体がtwitterをやっているのでしょうか。経済産業省の「がばったー」で見ると、政府機関も含めて、105のアカウントがリスト化されています(2010年12月2日現在)。これが全部でないかもしれませんが、約1800ある自治体全体からすれば、twitterを導入しているのは、まだ一部だといえるでしょう。

しかも一つの自治体に一つのアカウントです。以前紹介したように、カルフォルニア州政府は100以上のアカウントを有しており、諸外国のICT先進自治体と比べるとその差は歴然です。また多くの自治体twitterが、ユーザーとコミュニケーションをとることもなく、一方的な情報提供に止まっていて、結果、数百人程度のフォロアーに止まっています。

しかし、twitterを有効に活用して、様々な成果を挙げている自治体も少ないながらもあります。その中でも今回取り上げるのは、鳥取県米子市と、北海道陸別町の事例です。

鳥取県米子市「ネギ太」

鳥取県米子市には、特産品の白ねぎとyonagoのYをモチーフにした、「ネギ太」と「ネギ子」というイメージキャラクターがいるのですが(2人合わせて「ヨネギーズ」!)、妻のネギ子に内緒でネギ太がtwitterでつぶやいているという設定で運用しています。ネギ太のフォロアー数は7060人(2010年12月3日現在)。自治体twitterの中では非常に多いフォロアー数です。人気が出たのは、個人のつぶやきに対しても、丁寧に受け答えているだけでなく、キャラクターが話しているので、とても話しやすく、反応もなかなかユニークで目に付きます。

最初は他の自治体同様、一方的な情報提供型をしていたのですが、その時はフォロアーは400人程度。保険年金課のある男性職員の提案によって、キャラクターが発言する形にしたところ人気が出たということです。

諸外国でキャラクターがつぶやくというのは、寡聞にして知らないのですが、このキャラクターが前面に出るというのは、サブカルチャーが盛んな日本独特のものかもしれません。他の自治体でもキャラクターがつぶやくようになってきました(奈良県葛城市「蓮花ちゃん」、太宰府市「千梅ちゃん」など)。これらは総じて自治体公式(硬式?)のtwitterよりもフォローが多いようです。ただ「ネギ太」の場合には、一日100以上の呟きをしていて、量で圧倒しているように思います。

北海道陸別町

一方、キャラクターを使わなくても、人気を集めているのが北海道陸別町のtwitterです。陸別町は、北海道東部のほぼ中央に位置し、人口は2782人(平成21年3月31日時点)ですが、フォロアー数は5165もあります。つまり人口の倍ぐらい、フォローされているわけです。

人気の秘訣は丁寧さです。そもそもtwitterは移住事業の一環として始めたこともあり、「町外者が見て面白いコンテンツ」を心がけていて、日本一寒い町であること(冬場はマイナス25度にもなる)やオーロラの話、日々の町の様子などを発信しています。

担当者はtwitter専任でやっているわけではなく、窓口業務などの通常業務を行ないつつやっているそうので、それほどツィート回数が多いわけではありません。ですが、丁寧なフォロー返しや、ツィート内容の検証など緻密な運用をしています。「質」重視といえるでしょう。

どのような効果があったのか

この米子市と陸別町のtwitterでの取り組みは、様々な効果を挙げているようです。米子市の場合、ネット上の人気キャラクター「はちゅねみく」とコラボしたこともあり、人気がもっと上がり、タオルや缶バッジなどキャラクターグッズが作られ、売り上げ好評だそうです。(写真は米子町のサイトから)

さらに、2009年度のふるさと納税件数は、前年の6.5倍(額は1.7倍)に急増したとのことです2

陸別町も、「twitterを見て体験移住やイベントに参加した」と声をかけられることが多くなったといいます。さらに広報以外でも、別の効果も生んでいるようです。陸別町のアイディアボックス(意見募集・討論サイト)をみると、自治体の担当者が、質問に答える形で、「地域外からの注目が、地域内での地域愛着醸成」に繋がっていると回答しています。これは、「運用当初は考えた事すら無かった」ことであり、①地域外から注目されれば意見や要望がくる、②それに応えようと更に良質な情報を発信しようとする、③ところが情報はいつか不足するため探す必要が出てくる、④町の資産を外からの視点で再発見しようとする、という効果があったといいます。

まとめ

米子市と陸別町。前者はキャラクターを前面に出すことによって、後者は丁寧なコミュニケーションをとることによって、ユーザーとの距離を縮め、人気を集めているといえるでしょう。また両自治体の人口を考えると、おそらく住民以外のユーザーも多いはずです。

twitterを通じたコミュニケーションによって、例えそこに住んでいなくても、自治体に対する親近感を呼び、それが、広報や特産品の販売、あるいは「ふるさと納税」に結びついているといえるでしょう。また、陸別町の担当者が述べているように、外部とのコミュニケーションは、住んでいる自分たちが気付かなかった「資産」を発見することにつながることもあります。これはまさしく、私たちの主張する「潜在住民」のアプローチが有効であることを示しているように思います。

情報発信のツールとしては、ホームページやSNSなど他のツールと比べて、導入コストが低いことから、これからもっと自治体twitterが増えていくと思います。その時には、単なる情報発信の手段ではなく、米子市や陸別町のようにコミュニケーションツールとして使うことが必要でしょうし、「潜在住民」を念頭に置いた運用も必要に思います。

12010年4月のネットレイディング社調査 http://www.netratings.co.jp/hot_off/archives/NNR06012010.htm
2米子市ホームページ http://www.yonago-city.jp/section/shiminjichi/furusato_2009_result.htm

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