震災後に感じる地方自治体の「変化」

東日本大震災から3か月が経とうとしています。

今回の震災では、被災地への寄付に従来からの団体(日本赤十字など)を使うだけではなく、直接被災自治体へ寄附するために「ふるさと納税」を使う人たちが増えています。
そうした中、東京都港区では被災した自治体の寄付金受け付け口座の一覧を掲載したパンフレットを作り、被災地へのふるさと納税を促進しています。

震災被災地に寄付するため、ふるさと納税制度を利用してもらおうと、東京都港区は、被災した自治体の寄付金受け付け口座の一覧を掲載したパンフレットを作った。同制度を利用して寄付金を被災自治体に送ると、送金額の一部が居住地の住民税などから軽減される。区にとっては痛手だが「今は被災者や被災地域の復興が重要」(武井雅昭区長)と判断した。
2008年5月に始まったふるさと納税は、出身地に限らず、応援したい都道府県や区市町村に寄付することができる制度だ。寄付先の自治体が指定した口座に送金すると、翌年度の住民税と所得税から、送金額よりおおむね5千円を超えた部分が軽減される。所得の大小にもよるが、仮に5万円を送金すれば、翌年度の税負担が、所得税住民税合わせて約4万5千円程度は少なくなる。
ふるさと納税で被災地支援、港区アシスト 冊子でPR(朝日新聞)

記事の中にもあるように、地方自治体が「他の自治体」へのふるさと納税を呼びかけるという例は聞いたことがありません。それはもちろん、自分たちの街に住んでいる住民が別の自治体にふるさと納税をしてしまうと、自分たちの税収が減ってしまうからです。
港区は大企業の本社も集積しており、高額所得者も多い自治体ですが、それでも例えばここ数年高額所得者の所得減少からの特別区民税の減収が目立つなど、決して安穏としていられる税収状況ではないのも確かです。そうした中で、想定される金額が小さいとはいえ、地方行政が税収の下がる情報のPRに踏み切るにはそれなりの(行政としての)勇気が必要だったと思われます。

こうした小さな変化が地方自治体から生まれていくことは、今後の都市と地方、地方と地方とを考える上で重要になっていくと思います。なぜなら大きな枠組みとしては、ここには介在者としての国の存在が、ほぼないからです。
今後とも、こうしたふるさと納税をめぐる流れは注視していきたいと思います。

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