将来人口推計から未来を考える「前提」を確認してみた

発表から少しばかり時間が経ってしまいましたが、厚生労働省傘下の国立社会保障・人口問題研究所は1月30日に、日本の将来人口推計(平成24年1月推計)の結果概要ならびに詳細結果表を公表しました。
「50年後には日本の人口が現在よりも3割少ない8600万人にまで減る」というこの推計は衝撃を持って受け止められ、各種メディアでも大きく扱われたので知っている人も多いと思います。

50年後(この推計は実際には2060年なので48年後)、というとなかなか実感のわかない未来に感じる人も多いと思います。ですので、ここではその手前の30年後(2042年)のデータを簡単に見ていくことで、30年後の日本について想像する手がかりを探ってみたいと思います。

簡単にデータを見てみます。

日本の人口推移

これは、2010年、2042年、2060年の総人口と、それぞれの年の年齢層人口をグラフ化したものです(Y軸は千人単位)。総人口が順調に(?)右肩下がりになっています。それに比べると、年齢の三区分の変動は「2010年から2042年にかけて」のほうが「2042年から2060年にかけて」よりも、より大きく変動しているのが分かります。

もちろん、30年間と18年間には時間的に大きな違いがありますが、それにしてもこの変動はちょっと目立ちます。

そこで、この年齢の三区分の比率がどのように遷移しているのか、それぞれの年の数字をパイチャートにしてみます。

2010年の人口構成

2042年の人口構成2060年の人口構成

こうしてみると、三つの年齢区分が総人口に占める「割合」については、2042年と2060年にはたいした違いがないことが分かります。それと比べて、2042年の円グラフは2010年のものから大きく変化しています。

三つの年から数字を取り出してみただけですが、このことが示唆しているのは、「日本の総人口は今後50年にわたって減り続けるが、人口構成の急激な変化は、むこう30年以内に訪れる」という話です。

日本で生活する大多数の人にとって、こうした人口数の変化と人口構成の変化は未来について考える前提条件ですし、実際に「なにをいまさら」の話になっていると思います。
ですが、少なくともあと30年間はきっと働かなければならない30代以下の人間(私もそうですが)にとっては、頻繁に立ち返らなければならないもっとも重要な条件になると思います。
なぜなら、これからいかに改革的な人口増加政策がとられたとしても、ことが人口の再生産であるかぎり、30年程度のスパンでは人の景色を変えるほどの結果を生むということはほぼないと言えるからです。

そしてまたこうした条件は、いま日本の地方を真剣に考えることの重要性をも示しています。過疎化している・しつつある地方の市町村の中では、この「30年後の日本の人口構成」を先取りしてしまっている地域が少なからず存在するからです※。

※ 2010年の時点で、例えば北海道では、生産可能人口が全体の50%をきる夕張市は例外としても、芦別市、赤平市、三笠市などをはじめとする市町村で2042年の数字よりも極端な人口構成が現実となっています。

もちろん国のレベルと市町村のレベルとでは人口規模や地理的条件も大きく異なります。ですが、いますでに未来を先取りしてしまっている地域をどうするかは、まさに30年後の国の形を大きく変える試金石になっているのではないでしょうか。

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