市町村の首長や議員の給料・報酬はいくらくらいが適正なのか?

今回はちょっとオカネの話をしてみようかなと思います。

地域というものはさまざまなステークホルダーを抱えているわけで、当然ですが、地域活性化の担い手も多岐にわたります。
ですがそうした中でも、行政の長として、あるいは地方政治における意思決定機関として、地方政治家の果たす役割というものは昔から大きく、それは現在も変わりません。

地方政治家というと、各地方公共団体の首長・議会議員ということになります。「首長の時代」といわれるようになってからかなりの時間が経っていますが、近年の地方政治における首長のプレゼンスは、大阪市や名古屋市、武雄市や千葉市などを挙げるまでもなく、確かに高くなっていると思います。
今後地方分権という流れが不可避である以上、優れた政治家を持つということがそのまま、地域にとってもっとも大きな「差別化要因」のひとつとなっていくことは間違いないでしょう。特に、住民の生活に一番近い基礎自治体(=市町村)の政治家の果たす役割と責任はますます大きくなっていくと思います。

では、そうした首長や議員にたいしては、いったいいくらくらいの金額を給与・報酬として支払うべきなのでしょうか。それ以前に、いま現在いったいどれくらいの金額が私たちの税金から支払われているのでしょうか。
ここでは、この一番分かりやすい「民主主義のコスト」について考えてみたいと思います。

 

■ 現状、市町村の首長・議員の報酬ってどれくらいなの?

首長給料・議員報酬の年間額

まずは現状把握のため、平成22年度の市町村の首長給料、議員報酬はどれくらいだったのかをグラフ化してみました。サンプルとして使うのは京都府で、月々の給与・報酬を年間換算したものです。

首長給料は、京都市長の1334万円から和束町長の336万円まで、かなりのバラツキがあるのが分かります。議員報酬もまた、京都市の1036万円から伊根町の165万円まで、市町村によって大きく異なります。

また、このグラフには反映されていない「支払い」があることにも注意しなければなりません。
例えば、首長の場合は4年の任期後には退職金が支給されます。京都市長の場合、京都市特別職職員退職手当支給条例を念頭にいまの給与を元に計算すると、約3200万円以上の退職金が支払われることになります(これを年額にならすと800万円程度上乗せということになります)。
議員には退職金はありませんが、期末手当(いわゆるボーナス)があります(首長にもあります)。京都市の場合、平成22年度は夏冬計で月額の2.95月分ですので、250万円程度が各議員に支給されたことになります(市長には330万円程度という計算)。
また、議員には政務調査費というものの支給があります。これは月々の報酬とはべつに「調査・研究に使途を限って」支給される補助金で、例えば京都市では月当たり40万円が各議員に支給されています。全額きれいに使った場合、年間ですと議員一人あたり480万円の金額が支払われることになります※。

※ こうした月額給料・報酬以外の「支払い」については、残念ながら各地方自治体すべての数字を網羅したデータというのは公開されていません。

さらに、地方政治家の収入はこうした「政治家としての収入」だけとは限りません。
ときどき「政治家が副業なんかしていていいのか!」といった声がきかれますが、これはわりと知られている「誤解」のひとつです。
首長や議員といった地方の政治家というのは、地方公務員の「特別職」にあたります。そして、特別職には地方公務員法は適用されません。ですので、職を兼ねること(兼職)は法的には何の問題もないとされているわけです(ただ、首長の場合だと「その自治体と取引がある企業の取締役などの幹部との兼職」は禁止されていますし、議員の場合も類似した兼業禁止の規定があります)。
また、議員の場合は議員「報酬」とされていることも含め、誤解を恐れずざっくり言えば、これは職務に対する手当であって生活を保障する給料ではありません。ある意味、他に職業を持っていることを前提として制度設計がなされているわけです※。

※ ここには「専業議員/兼業議員」という難しい問題があります。市町村レベルでは専業議員は少ないのが現状です。

以上、これはあくまで京都府の市区町村の場合ですが、一般的な地方政治家がどれくらいの金額をもらっているのかを理解する目安にはなると思います。

 

■ この金額をどう考えればいいだろう?

ではこの金額を見て、私たちはどのように感じるでしょうか。
高いと感じるか安いと感じるか、もちろん人それぞれですが、そこには「政治家というものをどう捉えるか」という社会的な目線が必要になってきます。

そこで例によってムダに長くなってしまった今回のエントリーはここまでとして、次回からはいくつかの観点からこの金額の「見方」を考えてみたいと思います。
具体的には、物価の地域差指数を考慮に入れてみたり、他の職業とのざっくりとした比較などをした上で、この地方政治家の給料・報酬について考える予定です。

次のエントリーを更新しました!

 

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  • とそえ

    30万でなりたい人のみ 立候補して

     
     
     
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