地方政治家の給料・報酬を弁護士の平均所得と比較してみた

前回のエントリーはこちら

さて、前回は地方政治家がいくらくらいの報酬をもらっているのかを、京都府の全市町村を例に確認してみました。それを受けて、今回は「私たちの税金から地方政治家に対してどれくらいの金額を給与・報酬として支払うべきか」を考えてみたいと思います。

■ 政治家を専門職能として考える

職業としての政治家を考えるというのはなかなか大きなテーマですのでここでは置いておくことにし、まずは単純に、日本社会で政治家と同等な社会的な地位を占めている職業との比較を通して「地方政治家の給料・報酬」について考えてみたいと思います。

私見ですが、日本ではわりと古くから政治家を「政治というなにか専門的かつ高尚なもの」に従事する「えらい人」として捉えてきた歴史があるように思います。その意味では同じように「先生」と呼ばれる弁護士などの士業は、参照する職業として妥当かもしれません。
また、日本の場合は世襲政治家という問題もあります。ここ10年ほど、国会議員についてはずいぶんと世襲政治家(いわゆる二世議員)が話題になってきましたが、同様の問題はもちろん地方にもあり、結果、政治家が「家業」になっている場合も多数あります。こうなると、地元で病院等をやっている開業医(医者)などを参照してみるのもおもしろいかもしれません。

とりあえずここでは参照する職業として、士業を代表して弁護士の所得を見てみます。
平成23年に行われた賃金構造基本統計調査によると、弁護士の平均的な現金給与額(賞与含む)は年額で660万円ほどなのですが、これはサンプル数が少ない上、10人以上の規模の企業での給与額ですので、ちょっと実態とのズレが大きいのではないかと思われます。
そこで多少データは古いのですが、日本弁護士連合会が2008年に行った弁護士実勢調査の結果から、手がかりになる数字をはじいてみます。
この調査によれば、弁護士活動として申告した所得は以下のようになります(無回答分は外してあります)。

ここから上位と下位の5%を排除し、それぞれの中央値を元にして弁護士所得の平均を計算してみると、その値は約1450万円ほどになります。ほぼ単純平均のざっくりとした計算ではありますが、弁護士の年間の所得の全国平均として考えることのできる数値だと思います。

首長給料・議員報酬の年間額

再掲になりますが、前回のこのグラフの値と、先ほどの弁護士の平均所得を比較してみてください。
京都府に関していえば、月額の支給額を足しただけの金額ですと、どの市町村の首長も議員も、1450万円には届かないことが分かります。
ですが一方で、退職金やボーナスなどを加算した場合の首長の所得は、弁護士の所得を超える場合が多いと推測することができます。

こう比較してみたとき、地方政治家に支払われる給料・報酬は高いでしょうか、それとも低いでしょうか。

 

■ 市民生活という目線から考える

政治家を専門家集団、職能集団としてとらえる(現実的な)見方がある一方で、もちろん彼らは私たち市民の代表、エージェントでもあるわけです。民主主義の本筋から考えればそうした性格こそ強調されるべきであり、彼らに支払う給料・報酬もまたこの性格に沿ったものであるべきだ、という考え方もあるでしょう。

そこでこのシリーズの最後となる次回は、彼らを選出している地域に注目して、このオカネの問題を考えてみます。
具体的には、地域別の個人所得と比較するなどをしてみたいと思います。

(続きを更新しました)

Share on Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加

 

Tags:

Comments

No comments so far.

  • Leave a Reply
     
    Your gravatar
    Your Name
     
     
     

    WP-SpamFree by Pole Position Marketing